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創業融資はどこから借りられる?審査基準も併せて解説

起業や独立などで新規事業を始めるにあたって、創業資金は大きな壁の一つとなります。

これまでに経営の経験がない場合や、自己資金が不足している場合などでも、公的制度や民間の金融機関から創業資金融資を受けることによって、事業をスムーズにスタートさせることが可能です。

ただし、それぞれメリットやデメリットがあり、場合によって、どこから創業融資を受けたら良いかは異なります

本記事では、創業融資はどこから受けられるのかについて解説します。

また、創業融資を受けるときの審査基準や注意点についても紹介するため、創業資金の調達で課題を感じている方はぜひ本記事を参考にしてください。

創業融資とは

創業融資とは、その名の通り、創業・起業・独立・開業などに必要な資金を調達するための制度のことです。

創業時は事業をスムーズに始めたり、軌道に乗るまでの準備金を確保したりするために、ニーズにあった事業資金を調達する必要があります。

また、創業したばかりの時期には、予想していないようなトラブルにあうこともあり、資金ショートを起こしてしまう可能性が高いです。

たとえ十分な自己資金がある場合でも、創業資金を借りておくことでトラブルによる資金ショートを防ぐことにも繋がります。

創業融資を受けたい場合は税理士や社労士などに相談し、適切な準備を行うように心がけましょう。

創業融資はどこから受けられるのか

創業融資は下記のような機関から借り入れができます。

  • 日本政策金融公庫
  • 地方自治体
  • 民間金融機関
  • 親兄弟・親族・親戚など

上記のように様々な選択肢がありますが、本記事では「日本政策金融公庫」と「民間金融機関」の創業融資について詳しく紹介します。

なお、地方自治体が運用を行っている「制度融資」は、自治体によって内容が異なるため、対象となる自治体に問い合わせしましょう。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは、株式会社日本政策金融公庫法に基づき、2008年10月1日に設立された財務省所管の特殊会社のことです。

日本政策金融公庫では、「新創業融資制度」という創業融資の制度を提供しています。融資の対象は、新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方となっています。

融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)であり、保証人なし、かつ無担保で融資を受けられるというメリットがあります。また、民間の金融機関より金利が低い傾向にあるため、比較的低リスクでの資金調達が可能です。

ただし、カードローンやキャッシングと比較すると融資に時間がかかることや、事業に関するアドバイスを受けにくいことがデメリットであるため、計画的に資金調達のスケジュールを進めるようにしましょう。

民間金融機関

各種銀行や信用金庫などは、この民間金融機関に該当します。

民間金融機関は営利を目的としており、内容や金利は金融機関によって異なるため、ニーズにあった融資先を探すことが大切です。

民間金融機関の創業融資を受ける場合、日本政策金融公庫や自治体よりも審査が厳しい傾向にあるため、より万全の準備をする必要があります。

その一方で、融資を受けられる額が大きかったり、企業の信用が高まったりするなど、多くのメリットが受けられることも事実です。

日本政策金融公庫だけではなく、同時に民間金融機関から融資を受けることも検討しつつ創業準備を行うことをおすすめします。

創業融資を受けるための審査基準

創業融資を受けるにあたって、審査基準を通過しなければ融資を受けることができません。審査では主に下記の4つが重要視されます。

  • 経験や能力
  • 返済可能性
  • 資金使途
  • 自己資金

それぞれ順番に解説します。

経験や能力

一般的な融資を受ける場合には、過去の決算書などから経営状況を判断して審査が実施されます。

しかし創業融資の場合には過去の経営実績がわかりません。そのため、これまでの会社員などの経験を踏まえて審査が行われます。

たとえば、これまでの経験と関係する事業を行おうとしている場合、一定の成果を挙げる可能性を見込めることから、プラスの評価を得られるでしょう。

その一方で、無関係な業種での創業を行う場合は、マイナスの評価となることも考えられます。

また、能力は簡単には測れないため、金融機関などでは創業融資を受ける方の個人信用情報が審査されます。

そのため、CIC(指定信用情報機関)に情報開示の申請を行い、創業融資を受ける前に自分の信用情報を確認しておくと良いでしょう。

返済可能性

民間の金融機関などでは、創業融資を受ける方が新しく立ち上げるビジネスで利益を上げてきちんと返済できるかを審査します。

返済可能性があることを証明するには、事業計画書を綿密に作成することが大切です。赤字が続くような事業計画書など、返済が滞ってしまう恐れがある場合には、融資を受けられない可能性が高くなってしまいます。

そのため、具体的な事業計画書を作成して、返済可能性があることを論理的かつ明確に示すことが重要です。

資金使途

日本政策金融公庫の新創業融資制度や、民間金融機関の創業融資制度を利用する場合、資金の使い道がチェックされます。

たとえば、創業資金が1,800万円という事業計画書で、自己資金は800万円、融資希望額は1,000万円として創業融資制度の申し込みを行ったとします。

その場合、1,800万円の資金の使い道を見積書などで内訳や根拠を示す必要があるのです。

また、融資後に資金使途が申請内容と合っているかどうかも確認されます。

申請した通りに資金を使っていない場合には、融資が打ち切りになったり、今後の融資に悪影響が及ぶ可能性もあるため、必ず事実に基づいた資金使途の提示を行いましょう。

自己資金

自己資金とは、創業融資を受ける方が借入金以外で用意できる資金のことです。創業融資を受ける場合には自己資金の割合を満たしているかどうかが重要な審査基準とされています。

創業融資を申請しようと考えている場合には、審査を通過するために借入希望額の2分の1から3分の1程度は自己資金として持っておくことを推奨します。

また、自己資金を確認する際に、預金通帳も審査されることがあります。

たとえば、預金通帳にどこから借りたかわからない多額の入金などがあった場合には、借入金の可能性が疑われ、信用が下がってしまうことも珍しくありません

個人で借金をした過去がある場合は、明確な理由と返済計画などを伝えられるようにしておきましょう。

創業融資を受ける際の注意点

創業融資を受ける際は、下記の2点に注意しましょう。

  • 無理のない返済計画を立てること
  • 融資の前に助成金や補助金を検討すること

それぞれ順番に解説します。

無理のない返済計画を立てること

創業融資は借入金であり、返済義務が生じるため、返済可能性や資金使途などをきちんと証明する必要があります。

そのため、利息を含めた借入金を無理なく返済できる事業計画を練ることが大切です。

返済計画を立てるうえで、売上だけではなく、人件費や旅費交通費、広告宣伝費などの経費を考慮することが大切です。

また、売上から必要経費を差し引いた利益には、法人税などの税金がかかることも押さえておきましょう。

融資の前に助成金や補助金を検討すること

資金調達の方法は創業融資だけではありません。国や自治体の助成金や補助金など、返済義務のない資金を調達できるかどうかも検討することが大切です。

助成金の公募時期は随時ですが、対象や受給額には制限があるため注意が必要です。また、補助金は公募期間が定まっているため、情報収集を常に怠らず、余裕を持って申請を行うようにしましょう。

助成金や補助金にも審査はありますが、申請が通れば返済する義務がないため、安心して資金を活用できます。

条件は厳しいものの、融資を受ける前に検討しておくことを推奨します。

創業融資は計画的に受けましょう

起業や独立する際に創業融資を受けたいと考えている方は、「日本政策金融公庫」「地方自治体」「民間金融機関」などから融資を受けられます。

ただし、審査があるため、経験や返済可能性、資金使途、自己資金などをきちんと証明することが大切です。

また、返済義務が生じるため、無理なく返済できるかどうかも考慮して事業計画書を作成するなど、万全の準備を行うことが求められます。

 

ICBでは融資借り入れのための事業計画書作成サポートも行っております。

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